免震設計について

人の気持ちに耐震を・・・

地震を好きな人はいないと思います。
家の中に居れば、家が潰れないかと心配になります。それでも、最近の家は、法令で定められた方法で建物が造られていますから、壊れにくくなっています。
確かに建物壊れないかもしれませんが、大地震がおきると、家具は転倒し、家財は散乱し、足の踏み場もない状況になっていると思います。同時に人は、地震の揺れに動揺し、恐怖を覚え、身の安全の確保や、火の始末等、適切な対応が出来なくなってしまいます。

人の恐怖心に対して、“心の耐震”は配慮されていないのが、現状です。
地震の揺れから人を守ることは、家の安全 と 心の安心があって、初めて達成できるものと思います。
心の安心を確保するのに、体感する揺れを少くさせて、恐怖心を和らげる工夫をしなければなりません。

耐震建物や、制震建物は、地面の揺れが部屋の中でも同じに伝わります。ですから、揺れに対しての恐怖心は変わりませんし家財は散乱します。 免震建物は、地面揺れを、減少させて建物に伝えるので、恐怖心を少なくさせ、家財の散乱も少なくなります。

こんないいことずくめの免震建物ですが、難点もあります。 建築費が通常のより、免震装置をつけることで高くなることです。

免震住宅を建てよう 第1回

ある、地震嫌いの若い家族Iさんの免震住宅を、完成まで紹介しましょう。

敷地は、東京近郊のゆるやかな傾斜地です。
天気の良い、そよ風の中、家族揃って地鎮祭を行いました。
地盤はその斜面の切土部を利用して建物の配置をしました。
地縄をはり、いよいよ工事開始です。
基礎は、免震装置の設置に有効な全面ベタ基礎です。

べた基礎の配筋検査

べた基礎の配筋検査

配管取り込み用のサヤ管

配管取込み用のサヤ管


免震住宅を建てよう 第2回

基礎コンクリ−ト打ちが終わり、免震金物の取り付けが始まりました。
この数日、好天に恵まれ、作業は順調にすすみ、免震金物、免震土台の設置が行われています。
金物の取り付けは、位置、水平共、かなりの精度が要求されます。
高度に訓練された作業員は、ゆっくりと慎重に作業をしています。プレカット工場から搬入された材料は順次組み上げられ、免震土台が出来上がりました。

免震金物の設置

免震金物の設置

免震土台の組み上がり

免震土台の組み上がり


免震住宅を建てよう 第3回

免震土台(架台)が組み上がりました。
建主のIさん、工務店のI社の協力により、工事を中断して、見学会が開かれました。 構造、設備、免震金物各設計者、より説明が行われ、その後、現場に入り各箇所の装置の解説がありました。蒸し暑い日でしたが、皆さん熱心に見学され、質疑を交わされて、おられました。

金物を覗き込む見学者

金物を覗き込む見学者

免震金物設計者の説明

免震金物設計者の説明


免震住宅を建てよう 第4回

免震土台下の免震金物の設置状況を見ていただきましょう

復元材(円筒ゴム)

復元材(円筒ゴム)


地震ゆれで建物がズレた分を元に戻す役目のゴムです。
全部で7箇所あります。

すべり支承材

すべり支承材


建物を支える金物を支承と言います。ビニ−ルが掛って見にくいですが、下の鉄板の上を支承がすべります。ここで揺れを減衰させます。
全部で41個あります。

風用拘束装置

風用拘束装置


手前のワイヤ−のある金物です。
風圧力で押された建物のズレを防ぐ金物で、3か所あります。

免震住宅を建てよう 第5回

給水管、排水管を地中と建物を接続させることは、厄介なことです。
揺れる地面と建物とは、変形するように出来た特殊な継ぎ手を使って行います。

床下の配管の様子

床下の配管の様子

免震継ぎ手が少し見えます

免震継ぎ手が少し見えます


免震住宅を建てよう 第6回

柱、梁が組み上がり、上棟式が行われました。好天にめぐまれ、Iさん一家も楽しそうに参加していました。最後に、家族全員が上に上がり、棟木にサインをしていました。

軸組みの状況

軸組みの状況

定例打ち合わせ風景

定例打ち合わせ風景


免震住宅を建てよう 第7回

この建物は、軸組み工法の免震建物です。
免震装置がついているからと言って、建物に耐震用の筋かい等が少なくなることはありません。建築基準法の緩和はないのです。ですから、免震装置がなくても、この建物は耐震の安全性の基準をクリア−しているのです。今後は免震の有無によって耐震の基準を変えて欲しいものだと思います。

桁、筋かい周りの金物類です

桁、筋かい周りの金物類です

梁、柱をつなぐ金物です。

梁、柱をつなぐ金物です。
ホ−ルダウン金物がみえます。


免震住宅を建てよう 第8回

細かいことですが、室内の気密性を確保するために、この黒いテ−プは柱と床板との隙間を埋めています。
配管まわり、コンセントまわり等も気密性に配慮しています。

柱脚部分

柱脚部分


免震住宅を建てよう 第9回

昼間にどの部屋も電気を点けないで、使用出来るようにと、窓のない部屋に天窓を設けました。
天窓は、採光だけでなく、換気の役目もしています。

トイレの採光

トイレの採光
採光チュ−ブを使用しています

ダイニングの採光

ダイニングの採光
換気ができます
光を制限する為にブラインドを内蔵しています

玄関の採光

玄関の採光


免震住宅を建てよう 第10回

浴室の排水溝の防水状況

浴室の排水溝の防水状況

浴室の床排水の状況

浴室の床排水の状況


免震住宅を建てよう 第11回 完成

アプロ−チ、玄関付近

アプロ−チ、玄関付近

アプロ−チと建物との免震納まり

アプロ−チと建物との免震納まり

2階から階段を見る

2階から階段を見る



キッチン 天窓が見える

キッチン 天窓が見える

和室の雪見障子を見る

和室の雪見障子を見る

子供室の‘落書き’壁

子供室の‘落書き’壁



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